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2016年6月14日 (火)

石榴(ザクロ)の花

ヴェランダでいまザクロの花が咲いている。ハッとするほど鮮烈な朱赤だ。花ザクロなので、実ができても大きくなることはない。せいぜい直径3~4センチどまり。もう10年ばかりも我が家の住人だが、背丈も1メートル以上にはならない。とはいえ、この季節、たくさんのつぼみが付き、赤い花が次々と咲いて目を楽しませてくれる。

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もうかれこれ30年以上も前のこと。会津八一の歌に惹かれて、歌集をよくのぞいたりしていた。そのころ、結城信一『石榴(せきりゅうしょう)』を読んだ。八一の姪で戦時中十数年間にわたって八一の身辺の世話をした高橋きい子という女性について書いた小説だった。きい子は<たぶん横暴な巨人(?)>八一にひたすら献身的に勤めた末に、結核のため終戦の年の7月に33歳で他界した。。

八一はきい子への挽歌として連作『山鳩』を編んだ。その掉尾を飾って「かなしみて いづれば のき の しげりは に たまたま あかき せきりゅう の はな」の一首を詠んだ。小説の表題はその歌に拠っている。

ちなみに、英文学者であった八一には、ヨーロッパ神話で「ザクロ」は冥府の植物であり、「死」の象徴であることを熟知していたはずだ。と同時にザクロは「多産」の象徴でもある。八一はオルフェウスのように、冥府からきい子を地上に連れ戻したかっただろう。振り返ってはならぬという約束を犯して、背後の闇にかがり火のように燃え上がるきい子(ユリディーチェ)の魂を見たのだろうか。

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