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2015年11月 5日 (木)

鴨居玲展

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一昨日はふと思い立って、伊丹市立美術館で開催中の「鴨居玲展―踊り候え」を観に出かけた。深く重い感動が残った。

強くとがった鋭い描線と暗澹たる色調が、人間存在の奥深い根底に執拗に肉薄しようとしているようだ。人間の無残を体現しているかのようなピエロ、廃兵、老人たち。それはすべて自画像なのだ。リアリズムに徹したときのみ醸し出されてくる悲しいユーモア。自己追求の深い内的衝迫が感じられて圧倒された。

自由に天翔ける翼が欲しい ― 憧れに満ちた切ないうめきを飲み込み、そんな自分をピエロだと思う。与えられた豊かな才能、それを生かし切れない焦りと孤独と浮遊感。ダンディで、シャイで、ひとの愛を切なく求めながら、そのような自分に苦い失笑を隠せない。鴨居玲はそんな人ではという気がした。

宙に浮かんだ紙風船に画家はどんな思いを託したのか?

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『おっかさん』と題された上の絵について、玲に向かって母親が「お前がもう少ししっかりするまで死にきれん」とよく言っていたものだったという、姉で下着デザイナー鴨居羊子の証言が残されている。

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