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2013年5月

2013年5月17日 (金)

五月のある日に

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サクランボ(チェリー)が果実店の店頭で目を引く季節だ。とはいえ、高くて、そう簡単には手が出ない。とくに日本産のサクランボ(佐藤錦)。口に入れると、心(=懐)が痛む。見て楽しむものかな?

ドイツでは広場(マルクト)の屋台に、この季節、サクランボ(キルシュ)が山積み。プフント(=ポンド=500グラム)単位の計り売りだ。注文すると、小型スコップで円錐形のチューテ(紙袋)に入れてくれる。日本よりずーっと安くて身近な果物だ。

先日、サクランボをいっぱいつけた桜の枝を学習センターに届けて下さった方があった。庭の桜だそうだ。緑の葉も初々しい枝に、たわわに黄赤の小粒なサクランボが鈴なり。ほんのり、しっかり、甘い。初夏を味あわせてもらった。

ソメイヨシノもいいが、どこかの町にこんなきれいな甘い実をつけるサクラの並木があってもいい。通行人の誰でも自由に葉蔭の実をつまんで口に運ぶ。諍(いさか)いもなく、それを微笑んで眺めるひとがいて、そんな町が日本のどこかにあればいい。

五月のある日、時雨が通り過ぎた遅い午後に、窓の外の遠い東の空から夕映えの二上山が迫り出してきた。歴史の薄闇からぬっと頭をもたげるように。胸を衝かれるような山容だった。

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2013年5月11日 (土)

エゴノキ

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天満橋の大手前病院には30年来の誼(よしみ)で、今も3カ月に一度は定期検診を受ける身である。1年半かかったC型肝炎のインターフェロン治療のときは、毎週注射を受けに通ったものだった。治療を成功裡に終えて、もう3年になる。

地下鉄天満橋駅を下りて地上に出ると、OMMビルの前に出る。そこに巨大なヘルメス像が空に向かって駆け上がろうとする姿で立っている。ヘルメスは翼のついたサンダルを履いているから空を飛ぶことができるのである。病む身には羨ましくもあり、励みにもなった。

そのヘルメス像の背後に植えられた数本の樹。ここ数年で急に(?)大きく育った。それがエゴノキだということは昨年調べてわかった。白い花をつける木とピンクの花をつける木とが交互に植わっている。

ふだんはいかにも地味な目立たない木だが、大きく育つにしたがって5月の開花の季節には「おや!まあ!」と目を瞠(みは)るように艶(あで)やかになってきた。

「その子二十 櫛に流るる黒髪の おごりの春の美しきかな」である。

となると近よってじっくりと眺めたくなる<おとこ心>。よく見るとなんとかわいい花か!

OMMビルのガラスの宮殿を背景に娘の晴れ姿を撮るようにカメラを向けた。エゴノキは花が終わると実を結ぶ。その実には「えぐみ」があって「エゴノキ」と言うそうだ。これだけ可憐な花だもの、多少の「えぐみ」は、もちろんご愛嬌。

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2013年5月 5日 (日)

黒ユリの匂い

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昨年の暮れ、球根をもらった黒ユリが5月の始めに花を咲かせた。昨11月に北海道大学を訪ねたとき、よく知られた北大のポプラ並木の足元に「クロユリの群生地」と書かれた表示があって、心が揺れた。そのことを話した友人が種苗屋さんから手に入れたくれたのだった。

昔々、ラジオ・ドラマ『君の名は』の主題歌のひとつが『黒百合の歌』。「クロユリは恋の花 愛する人に捧げれば ふたりはいつかは結ばれる ああ この花 ニシパにあげようか わたしはニシパが大好きさ」というアイヌの恋歌だった。織井茂子の日本人離れしたファド調の歌いっぷりが子ども心にも新鮮で、今も耳底に残っている。

その「神秘の花」は、きっとしなやかに勁(つよ)くて妖しいオーラを放っているものとばかり思っていた。咲いてみれば、じつに繊細で華奢な花に驚いた。黒というより濃い赤紫。

不思議に野性的な、そう「妖しい(?)」匂いをかすかに漂わせている。

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