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2012年8月19日 (日)

根付の文化 ― 逝きし世の面影

20120814_008

以前、渡辺京二さんの『逝きし世の面影』をここで紹介したことがあった。幕末・明治期の庶民の生活を、当時来日した西洋人の目を通して、生き生きと再現した書で、今日の日本では失われた「豊かな貧しさ」を思い出させてくれた。

先日訪れた長浜の骨董店で、見つけた根付。私には別に、根付蒐集の趣味があるわけではない。たくさんの根付が無造作に放り込まれたガラスケースの中の、この根付にふと目がとまった。高さ5センチばかりの黄楊(つげ)の彫りもの。

ちょんまげの男が子どもを桶(籠?)に入れて運んでいる。男の足元のアヒルが桶の中の子どもにちょっかいを出している。それともアヒルは、子どもが差し出す餌に食いつこうとしているのだろうか?親子か、爺と孫か。二人を取り囲むのどかな風景までが、目に浮かんでくる。

江戸時代にはよく見かけた光景だったのだろうか。それとも、この意匠には何か寓意が隠されているのだろうか。

それにしても、爺がこの根付を掌でさすりながら、孫のことを思い出して煙草を一服・・・などと想像してみると、ほのぼのしてくる。逝きし世の面影だ。

ところで、長浜にはフィギュアの海洋堂ミュージアムがある。フィギュアは、日本独自の世界でも稀なユニークな文化だが、ひょっとするとフィギュアの源流は根付かもしれないと思った。

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