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2010年10月26日 (火)

恋人たちの距離

長い歴史に育まれた成熟した町には、目にする者にしっくりとなじむ「恋人たちの距離」があるものらしい、とそんなことを感じさせる情景だった。暮れなずむマルセイユの裏町。オリーブの大きな鉢植えがいくつも置かれた広場、古いアパートの蔭に見えているのは、夕映えの旧港と丘の上のバシリカ。声を潜めた静かな語らい。もちろん、ご当人たちに「恋人ですか」と訊いたわけではない。私のまったくの独りよがり、というか、マルセイユに対する私のオマージュだ。

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2日間滞在したが、マルセイユはステキな町だった。バシリカの建つ丘の上から見下ろすと、旧港の向こう側にどこまでも青い地中海。城砦やら寺院やら古代ローマ時代以来のものだろう石造りの建造物の明るい黄褐色が海の青に映えている。

岸壁の海に転がり落ちそうなところで昼寝するおじさんがいた。夕映えの港をいつまでもじーっと眺めているお祖父ちゃんと孫らしき姿もあった。人々の無言のふるまいの中に、歴史の幾層にも積み重なった地層が透けて見えるようだった。

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コメント

マルセイユは、「通過」しました…。
「女の子ひとりで行っていい町じゃない!」と、列車で偶然隣り合わせて座ったフランス人に真剣に止められて…。
治安はよくなってるんでしょうか。
当時はとにかく「ひどいんだぞ!!強盗がうようよいる。外国人も今はすごく多くて!」と脅されましたが…。

事前に私たちもずいぶん警戒を促されましたが、じっさいに蓋を開けてみると、肩すかしを食ったような・・・明るくて、きれいで、のびのびしていて、町の人たちも親切で。乗ったタクシーで、チップを渡したら、「そんなに気をつかわなくていいのに」と微苦笑。
とはいえ、私たちのそんな「旅語り」が裏目に出ては、と思います。「油断大敵」と付け加えておきます。

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