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2010年10月23日 (土)

カフェ・トゥルノン

パリでは、レストラン「ポリドール」で食事をするのを楽しみにしていた。オデオン座の近くで、詩人ランボーなどが食事に来ていたという息子お薦めの店だ。探しあぐねてやっと見つけたら休みだった。仕方なく、その日はマドレーヌ寺院のそばのカフェで食事をした。

翌日、満を持して「ポリドール」に出かけたら、何とその日もお休み。どうもヴァカンス休業らしかった。落胆しながら、「もうどこでもいいや」と思って入ったのが、一筋オデオン座寄りの「カフェ・トゥルノン」。

席について四苦八苦で注文を済ませて一息。やおら家内が「ジョセフ、ジョセフ」と言うものだから、小説家のジョセフ・コンラッドでも来ていた店なのかしらと、店奥の隅の席を見やると、何と「ヨーゼフ・ロート」の写真が立てかけてあった。ロートの馴染みのカフェだったのだ。

帰国してから調べてみると、ロートは1938年5月23日に「カフェ・トゥルノン」(その階上のホテルにその年の4月から止宿していた)で昏倒し、4日後の27日に運ばれた病院で亡くなっていた。

じつは、わが家で隔週に開催のシルバー・ドイツ語読書会でつい先頃ロートの短編『駅長ファルメライア』を読み終えたところだった。私たちの間では、ロートとはお隣のシルバーさんのように親しい間柄になっていたのだった。

たまたま何気なく入った「カフェ・トゥルノン」のほんの隣の席で、ロートが酔いつぶれていたのかと思うと、「ロートさん、あなたの小説、大好きですよ」と声をかけてあげられたらよかったのにと、 しみじみ感慨深かった。

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コメント

なんだか、ロートに吸い寄せられたようなお話でしたね(シャレと取って頂いても結構ですケド)。
私にも経験が…。偶然泊まったホテルがグノーの生誕の家だか、定宿だかでした。でもホテルはそういうことって意外に多い。カフェで、しかも昏倒したその場所…。これはなかなかの因縁を感じますね〜。
…語りかけたくなりますよね。

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