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2010年6月13日 (日)

「あたりをつける」ということ

シモツケの花の記事で、図鑑やネットでの検索の難しさに触れたら、いつも才知あふれる温かいコメントを下さるおじゃままさんが「あたりをつける」ということばを思い出させて下さった。

「あたりをつける」とは「見当(狙い)をつける」と言い換えられそうだが、「あたりをつける」の方が、体験に即した「身についた」表現のような気がする。

「あたりをつける」の「あたり」は、「ぴたりと的中する」「ぶつかる」という意味の<当り>から来ているのか、あるいは「おおよその所・時・数」を表す<辺り>から来ているのか、どっちだろう。前者だとは思うが、決め付けられないところが面白い。

一見反対方向を向いている二つのことばは、『岩波古語辞典』によれば、同じ語根<あた>から派生しているそうだ。<あた>は「アタ(敵・仇)、アタヒ(値)、アタヘ(与)などのアタ」で、どうやら正面に向き合っている対象(の中心)を表しているようだ

一方、<辺り>の<り>は、「ほとり」、「へり」の<り>で「方向をいう接尾語」。つまり、「狙っている対象がありそうな方向」が<あたり>ということになる。

そうなると、「あたり」ということばは、「ぴたり」と「おおよそ」という相反する意味をはっきりと境界づけないままに含んでいることになる。この両義性を引きずっているところが、<あたりをつける>という表現の醍醐味なのではなかろうか。

釣り人は「あたりが来る」と言う。魚がつんつんと餌をつつく感触が手に伝わってくることだ。ここだと「あたりをつけて」糸を投げ、「あたりが来た」ときの喜びは検索作業でも同じだ。

今日は朝から雨もよい。午後から本降りになった。おかげでヴェランダのアジサイが一段と色鮮やかになった。

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コメント

本当に調べなすったんですねsign03
当たりと辺りが同じ語源だなんて!面白いですね〜
あたりをつけるのは連想ゲームのようで、大好きです。
当たった時はしてやったり、の気分も味わえますし。
あたりをつけていきあたりばったり、が私の人生かな〜coldsweats01

「あたり」というのは、つまり全体知、直観知が働いている圏域ということになるのでしょうか?というと、思いのほかロマンティックな、言い換えれば「一目惚れ」の世界に通じているのかな?
「いきあたりばったり」と見えて、じつは<いちばん確かで手ごたえのある人間的な生き方>かも。

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