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2010年6月26日 (土)

ミルテ(ギンバイカ)

通りすがりのお宅の庭に、ミルテの花が咲いているのを見つけた。ミルテは、銀梅花(ぎんばいか)とも天人花(てんにんか)とも訳されているが、古代地中海世界を代表する花木だったらしい。

ギリシア神話では美の女神アフロディーテが海の泡から生まれたとき、その頭に海神ネレウスがミルテの枝を編んだ冠をかぶせた。陸に上がったアフロディーテは輝く裸身をミルテの茂みに潜めたのだった。

古代ローマ人はミルテの芳香をとりわけ好んだ。ミルテはヴィーナスの神木とされ、ヴィーナスの神殿はミルテの森に取り囲まれていた。ミルテは美と愛と純潔の象徴とされた。

一方、常緑のミルテは不死性(不滅)の象徴であり、また<死と復活>の象徴でもあった。古代の人々は墓にミルテの枝を巻きつけた。

ミルテは日本ではまだなじみのうすい花木だが、多くの人たちが、『君よ知るや 南の国』でイタリアを象徴する木として登場しているのを知っていることだろう。私たちの世代は中学国語の教科書で鴎外訳『ミニヨンの歌』を習ったが、今はどうだろう?

「レモン」の木は花さきくらき林の中に / こがね色したる柑子は枝もたわわにみのり / 青く晴れし空よりしづやかに風吹き / 「ミルテ」の木はしづかに「ラウレル」の木は高く / くもにそびえて立てる国をしるやかなたへ / 君と共にゆかまし (鴎外訳 『ミニヨンの歌』)

近よってミルテの匂いに触れてみたい。

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コメント

私の時にもそのような歌は載っておりませんでした。
教科書への復活は難しゅうございましょう。
中環沿いのお宅にも1本ありまして、
毎年、一枝戴けませんか?と言いたくも勇気なく…。
シューマンの歌曲にもありましたが、イメージはやはり
地中海の青い海と空に映えている…乙女の花…。
もう縁がありませんcoldsweats01

そうですか!おじゃままさんはもうちゃんと見つけておられましたか!
こんど植木市で見つけたら、大きく育てて、おじゃままさんに一枝差し上げましょう。

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