« 梅林のメジロたち | トップページ | 飛ぶ夢 »

2010年3月11日 (木)

祈りのかたち

「祈(いの)り」とは、岩波古語辞典に拠れば「イ(斎、忌のイ)」を「告(ノ)る」のこと。すなわち、本来みだりに口にしてはならない<聖なること・もの>を神や他人に対して明かすことだそうだ。

<みだりに口にしてはならない>のだから、祈りはたいてい小声での、あるいは心の内なる<つぶやき>になる。「口にしてはならない」のに「口にせずにはいられない」想いの強さが、手を合わせたり、頭(こうべ)を伏せたり、両腕を挙げて天を仰いだりする(身体の)所作になる。

祈る人が誰であれひたむきに祈る姿には、心を動かされずにはいられない。「美しい」と思う。口に出すことができない分だけ想いの深さが伝わってくるからである。

「祈り」とは何より「祈るかたち」のことだと、東大寺三月堂(法華堂)の月光菩薩を拝するたびに思う。その合せられた両掌(りょうて)に包まれた世界の限りない広さ、静けさ、温かさ。

Photo

« 梅林のメジロたち | トップページ | 飛ぶ夢 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

そうか〜。だから声を揃えて言葉を言う、あるいは賛美歌を歌うミサとか、◯◯教のお経に違和感があるのかな。
日本人にとっての祈りは、小声で、あるいは無言で行われるものなんですね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1221163/33701649

この記事へのトラックバック一覧です: 祈りのかたち:

« 梅林のメジロたち | トップページ | 飛ぶ夢 »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

星座 (リンク集)

無料ブログはココログ