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2010年2月16日 (火)

君の上にはただ白い花ばかり・・・

スペインの作曲家モンポウに「君の上には ただ花ばかり」という歌曲がある。静謐で、心に染み入ってくるような美しい歌だ。(URLはモンセラート・カバリエの歌っているもの)

http://www.youtube.com/watch?v=Hp5GwyeJQrw

その歌のタイトルを私は「君の上には ただ白い花ばかり」と記憶してしまっていた。そして、そのフレーズがもっとも清澄な愛のメタファーとして、しばしばと脳裏に浮かび上がってきたものだった。

近ごろロス・アンヘレスがモンポウの伴奏で歌うのを聴いて、あらためてその美しさに心を奪われた。と同時に「君の上には ただ白い花ばかり」ではなく、正しくは「花ばかり」だということを知った。

いつ、どういう経緯で「白い花」として記憶されてしまったのか。人間の記憶は、当人が経験した時間(歴史)によっていつしか染めあげられてゆく。歪曲でもあり浄化でもある。あるいは神話化と言ってもいいかもしれない。そして、神話化された記憶が、また人間の経験(歴史)を規定する。

個人史は、記憶と経験が互いに絡まりあいながら螺旋を描いて進行してゆくのだろう。

モンポウの歌の中で愛しいひとの頭上に咲いていた花は、何の花だろう。私は暗い葉蔭に咲く柑橘系の白い花を思い浮かべるのだが・・・

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コメント

気になって調べてしまいました。
カタルーニャ語の歌なんですね。
歌詞を見ていると、「白い贈り物」という部分がありました…。
どこかで歌詞をご覧になったことがあったのでは…?
夢のない話にしてしまって済みません。

そうなのか、そうなんだ、カタルーニャ語なんだ、と本当に驚き、感動しました。そういえば、モンポウはバルセロナ出身ですものね。あの「鳥の歌」のカタルーニャなんですね。憶えてはいないのですが、おじゃままさんの言われるとおり、どこかで歌詞を見たにちがいありません。歌詞を探してみようと思います。うれしい宿題が増えました。
「君の上には ただ花ばかり」の歌が、私には「白い贈り物」のように思えてきました。
おじゃままさん、ありがとう!

http://todoal59.blogspot.com/2009/12/damunt-de-tu-nomes-les-flors.html
に、カタルーニャ語の歌詞が…。(おせっかい;;)
ここ開くと、なぜかウィルスバスターが作動します…。危険なの??そんなことないと思いますが…

カタルーニャ語、プロヴァンス語、バスク語…。
ヨーロッパですら、そういう少数語族みたいな人たちが独立・独自性を求めていますが、広く世界を見れば、独自の言葉を奪われた人たちの何と多いことか…。先日また、ひとつの言語がこの世から消えたそうです…。

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