« 「あかん」と「いかん」 | トップページ | 箕面 »

2009年11月30日 (月)

中山池

阪急石橋駅から通称「阪大坂」を登ってくると右手下方に見えるのが中山池。高校生の頃、対岸の雑木林(里山という言葉をまだ知らなかった)にイーゼルを立てて、「中山池に影を映す白亜のイ号館」を油絵に描いたことがあった。風景画をひとつ仕上げるのが「美術」の宿題だった。

今はピンクに塗られているが、当時(昭和35/36年頃)イ号館はくすんだ白。それより何年か前には空襲に備えた防災色で黒かった。中山池の水面に照り映えるイ号館は、当時も今も阪大を象徴する景観だ。

10年くらい前まで中山池の東に上山池があった。中山池に飛来する白鳥の姿が見られたが、いつしか上山池で飼育されるようになり、私たちの目を楽しませてくれていた。そして白鳥の姿が消えると、上山池の埋め立てが始まった。

かつて二つの池の岸には丈高いアカマツが何本も聳え立ち、現在の広葉樹林とはひとあじ違った古風で重厚な景観を作っていた。その後、アカマツは「マツクイ虫」の被害で次々と立ち枯れ、その後にヤマモモ、サクラ、アオギリなどが植樹されたのだ。

現在、中山池の堰提の補修工事が進んでいる。来年には池を取りまく里山の整備も行われるそうだ。貴重な自然遺産とどう関わり、それをどう活かしていけばいいのか、この機会に「大学と地域と行政が手を携えて」知恵を出し合おうという「中山池の利活用をめぐるファーラム」にお誘いを受け、晩秋の一日、久しぶりに待兼山キャンパスを訪れた。教えられることの多い集いだった。志と夢を共有できる人たちと語り合えるのは、楽しい。

阪大待兼山キャンパスに残る里山は、宅地の灰色の海に浮かぶ「緑の島」だ。その存在が、大学に通う人々は言うに及ばず、地域の人々の心と暮らしにどれほど大きな作用を及ぼしていることだろう。雨上がり葉末から滴る<しずく>のようなものでも、それがいつか大地を潤し、ひとの心を潤してくれる。そのことに気づくことの大切さを思った一日だった。

掲げた写真の上は、待兼山キャンパスの銀杏の葉が散り敷く今の風景。下は昨年の秋に撮った、工事が開始前の中山池。

Photo

Photo_2

« 「あかん」と「いかん」 | トップページ | 箕面 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1221163/32416832

この記事へのトラックバック一覧です: 中山池:

« 「あかん」と「いかん」 | トップページ | 箕面 »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

星座 (リンク集)

無料ブログはココログ