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2009年10月25日 (日)

「けったい」な大阪人

大阪弁の「けったい」については、牧村史陽編『大阪ことば事典』には「妙な・変な・変てこな・おかしな・奇態な・いやな・不思議な等、いろいろの意味を含んだ実にケッタイな言葉であって、エゲツナイとともに、上方弁の両横綱といってよい」とある。

疲れたとき首筋を回すと、プチプチプチプチッと音がする。「あー疲れてるんやな」と思いながら、その音とともに疲れが少しだけ発散してゆくのを感じる。、「けったい」という「ことば」には、そんな関節の軋み音みたいに何やら耳障りで滑稽で、それでいて私たちの身体に馴染む心地よい響きがある。こんな「けったい」な語、そして「けったい」な奴も今や京阪神の市民生活に広く深く根を下ろしている。

「けったい」の語源は私など「蹴りたい、蹴ったりたい」の略かなと<迷解>に考えていたが、<学術的な>諸説があるようだ。『大言海』によれば、「希代の転(希有)。京畿にては、キを、ケといふ。狐をケツネと云ひ、出来るをデケルなどと云ふ」らしい。『広辞苑』では、「ケタイ(卦体)の転」とある。卦体とは易の卦に現われた算木の様子、占いの結果。「卦体が悪い」は「縁起が悪い」の意で、そこから転じて「けたいな」は「いまいましい、いやな感じである」となる。

この「いまいましい、いやな感じ」をはらりと受け止めて、相手の力で相撲を取るのが大阪人の流儀である。

『大阪ことば事典』は次のような用例を挙げて、うぶな男に恋の手ほどきをしている。(この『事典』はほんまにケッタイな事典です。)

「<ケッタイな人!>と若い女性から言われたら、常識を逸した男という意味にもなり、いやらしい人、助平ともなる。しかし、求愛などの場合に<ケッタイな人>と軽くあしらわれるようなこともあって、そんな時にはまだ脈があるかも知れず、その場の空気によって的確な判断が必要である。」

「ケッタイな」と言われて、ゆめ本気で腹を立てることはない。「ケッタクソワルーッ(癪に障る)」と笑って軽くいなし、やおら遠い眼差しになるのが大阪人である。

下の写真は梅田茶屋町の「けったい」な「歯神社」。

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