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2009年9月 7日 (月)

拈華微笑(ねんげみしょう)

喫茶店で本を読んでいると、赤ん坊づれの若い夫婦が隣の席に座って、夫婦それぞれが勝手なことをしている。二人とも別々に夢中で携帯をいじっているかと思うと、いつのまにか夫はスポーツ紙を、妻はファンション雑誌を読みふけっている。(もちろん、それが喫茶店のごく普通の作法ですが・・・・)

乳母車に取り残さてこちらのほうをじーっと見ていた赤ん坊が、こちらの視線に向かって蕾(つぼみ)が開くように微笑みかけてくる。吸い込まれるような柔らかな微笑である。「拈華微笑だよね」とこちらも微笑み返す。

広辞苑によれば「拈華微笑」とは、「禅宗で、以心伝心。霊鷲山(りょうじゅせん)で説法した釈尊が、華を拈(ねじ)って大衆に示したとき、摩訶迦葉(まかかよう)だけがその意を悟って微笑し、それによって正しい法は迦葉によって伝えられたという」と説明されている。

もちろん私はお釈迦さまじゃないし、説法しているわけでもない。しかし、ほほえみを交わすだけで、わかりあえる世界がここにはあるじゃないと思って、ちょっと幸せな気分になる。ひょっとしたら、いやいやきっと、赤ちゃんが「釈尊」なのだ。

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