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2009年9月16日 (水)

ぜんぶ フィデルのせい

『Z』『ミッシング』の名匠コスタ・ガブラス監督の娘ジュリー・ガブラス監督の『ぜんぶ フィデルのせい』(2006年)を観た。フィデルはキューバのフィデル・カストロのこと。60年代の末から70年代の初めにかけて、ベトナム反戦運動、文化大革命、パリ5月革命、チリの人民連合の勝利と、若者の掲げる「異議申し立て」の火が全世界をおおった。両親は世界変革の情熱に目覚めて、左翼運動にのめりこんでいく。主人公の少女マリア(十歳くらい)はのんびり屋の弟フランソワとなに不自由ない生活を送っていたが、怪しげな鬚面たちが出入りし始めた家庭のきしみが許せない。(みんな好い人たちなんだが。)

マリアは負けていない。「キョウサンシュギって何よ?」「レンタイって何よ?」「チュウゼツって何よ?」「貧しい人たちのためというなら電灯もシャワーも切ってやる。」ハリセンボンみたいな仏頂面で果敢に「異議申し立て」を繰り返すマリア。「異議申し立て」る人に「異議申し立て」るという構図が、重くなりがちな内容にアイロニーの軽やかさを与えている。

「サンチアゴの雨」として知られるアジェンデ大統領の死と軍事独裁の成立。一つの時代の終わりを象徴する出来事だった。そのニュースを聞きながら涙するパパ。パパの手をそっとポケットから抜き出して握るマリア。そのときマリアは人生の階段を一段登ったのだ。

マリアを演じたニナ・ケルヴェルが、とりわけすばらしかった。

ジュリー・ガヴラス監督、ニナ・ケルヴェル

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