« 「排除の論理」は願い下げ | トップページ | ユリノキの花 »

2009年5月23日 (土)

たいした問題じゃないが

リンドやミルンというと、高校時代の英語教科書で親しんだ名前。岩波文庫の新刊「イギリス・コラム傑作選」で何十年ぶりかに再会した。

それにしても、イギリス知識人の長い歴史に培われた諧謔の精神はまことに筋金入り。彼らの皮肉・諧謔が人を楽しませにんまりとさせるのは、背後に健康なコモンセンスと他者への温かなまなざしが生きているからである。

ミルンのエッセーから随意に一節を抜き出してみよう。

「運命の女神はわざわざドラマチックなことをしようとはしない、というのが真実である。仮に、諸君や私が生殺与奪の力を手にしたとしたら、人目に立つような派手なことをしようと試みるだろう。例えば、なにげなく塩をこぼした人が次の週に死海で溺死するとか、5月に結婚したカップルが次の5月に同時に死ぬとか。しかし運命の女神は、人間が考え出すような小賢しいことを考え出すような暇はない。仕事を堅実に散文的にこなしてゆくのみであり、通常の確率の法則によって時々あっと驚かせるロマンチックなことをなすのである」

たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫)

« 「排除の論理」は願い下げ | トップページ | ユリノキの花 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1221163/29756089

この記事へのトラックバック一覧です: たいした問題じゃないが:

« 「排除の論理」は願い下げ | トップページ | ユリノキの花 »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

星座 (リンク集)

無料ブログはココログ